~天使はふたたび舞い降りる~
歩来に会いにいった時は
もう
疲れ果てていて


眠っていた。




俺は声をかけずに
歩来の横に座って
寝顔を見ていた。



「おまえ、すげーな~
かっこよかったぞ。
奈楠がやっと治療を再開するんだ。
おまえと赤ちゃんのおかげ。」




昔愛した人


今も胸が少しときめく人



どんどん俺から遠ざかってく



愛し合った日々も
愛しすぎて憎んだり
信じられなくなったり


それでも
歩来の強さに
抱かれて
俺の今はあるから・・・・




ぐっすりと眠る歩来




俺もこの新しい命の誕生を期に
歩来から卒業するから・・・




「ありがと・・・」



眠る歩来につぶやいた。
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