~天使はふたたび舞い降りる~
「なんでだろう。」


「こんな頭だから
女だって思えないんでしょう?」



「そんなことじゃないよ。」



「痩せこけて胸もないし
ぼろぼろの雑巾みたいだから
触る気もしないのよ。」



確実に傷ついていた。



「ずっと、ずっと待ってた。
女から言えないもん。
恥ずかしいこと・・・・・
私じゃだめなのね?」



俺は傷つけてしまっていることは
気がついていた。
でもその問題の答えは
あまりにも難しく
いつも逃げ出していた。



「違うんだ。
愛してる・・・・。
でも・・・・ここに戻ってきたら
今までの暮らしの
延長線上に
奈楠は妹なんだ。
妹の壁を越すのが怖い。
俺も混乱してる・・・・
時間をかけて考えたいんだ。」



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