~天使はふたたび舞い降りる~
「今更?
私は、こんな恥ずかしいこと言って
死んでしまいたいくらいよ。
抱いてほしいの。
女として
見てくれているんじゃなかったの?
女として
愛してるって言って
くれたんじゃないの?」



確信についてきた。




「奈楠、大事な問題だから
もう少し時間がほしい。
からだの愛だけじゃなくて
心の愛だってある。
特におまえは
今まで俺にとって
大事な存在だったから・・・
俺自身、心の葛藤をしているんだ。
もう少しこのままでは
だめだろうか?
俺が奈楠を汚してしまうようで
思い出の中の奈楠を
抹消してしまいそうで不安なんだ。」




「わかった・・・・
ごめんなさい・・・・
でも・・・妹じゃなくていい。
女として愛してほしい。
不安なの。
時間が無駄に流れているようで・・・
私を闇から
救ってほしいの・・・・
あの悪魔から・・・・」


「??なに?悪魔?」


最後の声が消え入りそうで
聞き返した。



「なんでもない。
キスくらいならいいでしょ?」


キスしたら
気持ちが昂る・・・・
それもこわかったが
これ以上、受け入れないわけには
いかなかった。



キスをしながら
奈楠の切ない想いがつたわってきた。


  ごめん
  もう少し待ってくれ


キスの合間に漏れる
甘い息使いが
俺を責める・・・・・・
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