~天使はふたたび舞い降りる~
二人の仲がぎくしゃくしていた。

このまえまで
なんでもなかったことが
意識してしまい
空回りしていた。


  俺のせい



俺が男らしく
奈楠を抱けば簡単なこと



しかし
俺はなかなか
踏み出せずにいた。



愛してるって言葉には
種類がある。

かけがえのない
大事な存在の奈楠を
愛してる・・・・


女と妹の狭間を
奈楠が揺れている。



俺は今更・・・・って
さっき言われたけど
往生際が悪いのか
どうしていいのか迷っていた。



静かな寝息をたてる奈楠


「ごめん・・・・
でも簡単なことではないんだ。
今まで簡単に考えてこれたことが
奈楠にはできない。
おまえが妹なのか
女なのか・・・・・
おまえが大切だから・・・・
少し時間をくれ。」




奈楠の額にキスをした。



薄い髪の毛が
あの頃に俺を戻していく。


妹  奈楠  



幼い頃
奈楠と眠ったあの日々を・・・・
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