~天使はふたたび舞い降りる~
「今夜は少し遅くなるから
先に休んでいいからな。」


ネクタイを結びながら
忙しく書類を集めた。


「私に結ばして。」


奈楠がネクタイを持った。


「ん・・・・難しいな・・・」


「いいって、今度ゆっくり
教えてやるから。」



「ちょっと待って・・・
こ~して・・・あ~して・・・
私夢だったの。
よくテレビで見たんだ。
ダンナ様のネクタイを締めてあげる
奥さん~憧れた~。
あれ?なんか違う~」


俺は急いでいたから

「明日、ゆっくり教えるから
今日はもう行くよ。」


びっこたっこの
ネクタイを結びなおした。



「あ~あ・・・
意地悪だ・・・・」

コートを着終わった俺に
奈楠がバックを

「はい・・・・」とくれた。



「サンキュー!!」

大急ぎでマフラーを巻いて
コートの襟を立てた。
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