~天使はふたたび舞い降りる~
「奈楠を働かせるため?」


「いや・・・」

祖父はため息をついた。



「林の執念・・・・
奈楠を女として・・・
見ているんではないかと
俺は思う・・・」


俺は奈楠が話した

林によって汚された・・・・・
そう言ったことを
思い出した。



「奈楠が母親にそっくりだから
そして奈楠が
芳樹さんを愛してしまったことが
林には耐えられないんだ・・・
あの頃の自分を
自分を裏切って
他の男を愛してしまった
娘と重ねているんじゃないか・・・」




車を飛ばした。



「あいつ気が狂ってるって・・・
早く奈楠を連れ戻さなければ・・・
かわいそうな奈楠・・・・」


林という男も
心の矯正が必要なのかもしれない




雪が奈楠を隠してしまう前に
奈楠を見つけなければ・・・・


激しい雪が恨めしかった。




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