~天使はふたたび舞い降りる~
「おじいちゃん、ちゃんと
お願いしてくださいよ。
引き取ってもらえるなら
お願いして。
うちでは部屋もお金もあげられない
結局居ずらいんですから。」


そう言って
部屋を出て行った。


「佐川さん・・・・
春江さんの子供さん
一度だけあったことあったな。
立派になって・・・
あんたも苦労したんだろう?」


「はい・・・」


「俺は今、息子夫婦の家に世話になってて
もう家も売ってしまったから
奈楠の居場所がないんだ。
あれの父親は
どうしようもない男だから
娘がお産で死んだ後も
仏壇だけ俺に置いて
奈楠連れてどこかいっては
長続きしないで
奈楠を振り回すから
あれは、すっかりひねくれて
こっちに押し付けたんだ。
もうずっと会ってない孫を
今更押し付けられたって
俺も困ってるんだ。
とりあえず学校には入れたんだけどな
こっちも正直まいっとる・・・」


祖父苦悩は理解できた。
この状況に
もう一人は無理だろう
肩身狭い思いをしてるんだろう
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