~天使はふたたび舞い降りる~
「奈楠さんは、音沙汰ないの?」


「うん。
必死で探したんだ。
旭川も何回も行ったし……
病気なのに……
ちゃんと治療してるんだろうか。」


「難しい病気だから
心配だね。」



「うん。中村さんのように
もうこの世にいなかったらとか
考えてしまう。」

俺は頭を抱えた。


「優の最期はね・・・
亜恋ちゃんの笑顔におくられたって
すごい安らかな寝顔みたいで
きっと最後の最後に
愛する人の
笑顔を焼き付けて
旅立ったのね、優は……
その安らかな寝顔に
亜恋ちゃんもまた
歩き出せたって………」


「そっか。
あの二人の愛の形って
ほんとすごいよな…
中村さんのような生き方したいって」




「私も亜恋ちゃんのように
強くまっすぐ愛したいわ。」


四季は俺を見つめた。


そして


一枚の手紙を渡した。


「おととい届いたの。
あなたに渡そうか
迷っていたけど・・・・・・
今日、優のとこで会えたのは
彼が渡したほうがいいって
チャンスをくれたんだって
思ったの。」


四季から手渡された手紙は



差出人が


 奈楠    


になっていた。
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