~天使はふたたび舞い降りる~
病気になって
罪悪感から兄は私を
大事にしてくれているの
知ってました。


そこに愛はないことも……



でもそこに私は目をつぶりました。
兄を私だけのものにしたい
兄を失った私は
地獄のようだったから
もう兄を失うのは
絶対にいやだった。


兄は辛そうだった。
兄にとって私は恋人にはならない。
やっぱり妹としか見てないから。
私は女として
見てほしかった。
抱いてほしかった。
いつかきっと
そうなることを
信じて
兄と先生の別れを
考えないようにしてたの。


だけど
兄を独り占めすれば
するほど
抱いてほしいと強く思う。
先生を抱いている
兄を想像しては
嫉妬で狂いそうになる。


そしてもう死にたくなって
治療もうけたくなくなった。


でも生きていたら
可能性はきっとある


兄の長く想っていた人が
言ってくれた。


その希望を持って
死んだら、また先生と
一緒になるのが絶対いやだったんです。


意地になって
生きることに決めました。


兄の心も考えず・・・・
ただいつか
きっと私を女として
見てくれる

抱いてくれると信じて・・・
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