～天使はふたたび舞い降りる～

「だけど四季……
婚約者がいるのに……」

逃げ腰な俺を
四季がさらに責める。



「本当に愛している人に
抱いてもらいたい……
最後に……
奈楠さんもそう思ったはずよ。
あなたは奈楠さんを
抱いたんでしょう？」


確信をつかれて
俺は慌てる。


「どうしてそう思う？」


「奈楠さんが地獄に旅立てたのは
最後に愛する人に
愛されたからよ。
私も同じ気持ちだわ。」



四季が俺のトレーナーを
完全に脱がした。



「愛する男に清められて
女は強くなれる。
あなたと彼女がこの先また
会えるかどうかわからないけれど
今はもうあなたに
私は必要ないから……
私も
強く生きていきたいの。
あなたに清められて
違う人生歩いていくから。」



俺は言われるがままになっていた。



奈楠もあの夜
必死に抱いてくれと懇願した。


今の四季と奈楠が重なった。