~天使はふたたび舞い降りる~
林の消息はつかめなかった。
あまり自分のことを
多くは語らなかった。


ただ話からは
まじめにやっている様子だった。



なぜやめたのかは
薬局側でも
突然でわからないという。


教えてもらった
林の住んでいたところに
向かった。



小さなアパーの前に
立ち尽くす。


この窓から
奈楠は外を見ていたのか。
そして                                                                             
俺を恋しがって
泣いていたんだろう




窓からこちら側を
見ている奈楠を想像した。



「必ず見つけてやる」



そう誓いながら
そのあとの消息は全くつかめなかった。



そして俺と奈楠の間には
季節だけが通り過ぎて行った。                                                                                        
< 362 / 426 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop