~天使はふたたび舞い降りる~
病院に戻った俺は
体の震えがとまらなかった。

病室を忙しく
行きかう看護師


  おじさん、頼む・・・・・


さっき俺に手渡した
マッチを見つめた。


 何が言いたかったんだ……



ドライブ イン 春夏秋冬



「すげー名前だな……」

ボールペンの裏に走り書きが
あった。


 タツキ


なんの意味があるんだろう


歩来がやってきた。


「あ…どうした?」


「うん、連絡もらったの。
会いに来るようにって……
素良も今来るわ。」


「それって…?」


「どちらにしても
心配だったから……
芳樹、大丈夫?」


震えがなかなか止まらない。


「ママ~~」

愛恵が素良に抱かれてやってきた。


「あ~ヨッチ!!」
愛恵が俺に気付いて喜んだ。


「寒いの?」



「寒いよ…抱きしめてメグ…」

愛恵は俺を小さい体で抱きしめた。
その後ろから歩来
そしてそれを包むように
素良が俺を抱いてくれた


「ありがと・・・・・」
心にしみる涙が伝った。


< 411 / 426 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop