~天使はふたたび舞い降りる~
「じーたん、ばーたん~
ただいま~」


体の小ささの割には
賢そうな男の子に見えた。


そして母親の方に顔をあげた。



そこにいたのは


驚いた表情で俺を
見つめる



四季だった・・・・・



「なんで?」


四季が自転車をとめて
子供を抱き上げた。



「どうしてここにいるの?」



子供は俺の顔を
不思議そうに見つめた。



「結婚しなかったのか?」


「するわけないわ。」


「付き合ってるって……」
俺は混乱してきた。


「それでどうして?」


俺は奈楠からもらった
マッチを四季に手渡した。


「うちの……?」


「奈楠がここに行けば
そこが運命の終着だって言った。」



「奈楠さん?会えたの?」


俺は子供に笑いかけた。
冷めた目でうかがっている。



「奈楠は死んだよ。」


四季の眼から涙が
溢れた。
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