～天使はふたたび舞い降りる～

「おまえの前ではね
きっと、俺は本当の俺。
家族とにぎやかに暮らした記憶が
ないから、奈楠がきてから
俺はすげーしゃべるんだって
正直びっくりしてるよ。」


「そうなの？」
奈楠は目を丸くした。


「しゃべらないよ。
特に気持ちの中なんて
簡単には見せない。
だから、歩来ともうまくいかなかった。
もっと口に出して
素直だったら何かが
変わっていたんじゃないかって
思うんだ。
心を裸にはできなかった。
ひねくれ者でさ～
ここがなおらない限り
結婚なんかできない。」


「私には
見せてくれてるんだ？」


「きっと妹っていう絆かな～
こんな俺、知ってるやつが見たら
びっくりするよ。」

奈楠はにっこり笑った。
自分は特別な存在だって
家族として
ここにいてもいいって
思って欲しい・


「なんかうれしいー」

奈楠が言った。