～天使はふたたび舞い降りる～

「好きっていうと少し違う。
なんか・・・大事な忘れ物を
してしまった
そんな気がするんだ。」


「忘れ物？」


「俺らね、高校生の頃の話は
もうひとりの女の子を
入れてかなりの
複雑さをミックスしてたから。
でもそれは
ひっかきまわしたのは俺。
あの恋は
全部俺のせいで
みんな苦しんで泣いて
だけど最後はそれぞれのいる場所を
見つけたんだ。
千鶴は今３人のお母さんだし
歩来は愛してた人と結ばれて
素良は素直になって
歩来を抱きしめて
３人ともきっと幸せだと思う。」



「よしにーは？」


「俺は・・・・・
素直になるのが遅くて
そのころには、恋するのが
辛くなった。
歩来を自分のものにする時期は
沢山会ったのに
もう俺のひねくれ根性で
愛する人を泣かせたくなかった・・・・
だからじっと我慢して
あいつの本当に愛してる男に
幸せにしてくれって
あいつらの背中を押したんだ。」


「偽善者ね。」


その言葉に動揺した。

「どうして？」

「いい人の振りして
よしにーは今後悔してる。
好きなら奪わなきゃ。
相手の事なんてどーでもいいから
自分のものにしないと
だめなんだよ。」

奈楠の強い口調に
思わず

「はい・・・・
わかりました」
と言って


爆笑した。