~天使はふたたび舞い降りる~
二日酔いがおさまったのは
午後からだった。


「サブ、昨日随分のんだのかい?」
パートさんに笑われた。

「そうでもないんだよ。
だけど悪酔いしたんだ。」


「なんかヤケになることあったのかい?
女かい?いやいや
サブに限って女はないかい」

みんながうなづいた。

「何いってるの?
悲しい男なんだから俺・・・」
いつものように
やっとギャグで返して本調子。


「復活~!!」


午後の接客に力を出して
俺は紳士コーナーで
ネクタイを見つめる
女性客に声をかけた。


「いらっしゃいませ。
何かおさがしでしょうか?」


振り向いた女性客と
同時に声をあげた。


「あ!!」


奈楠の担任だった。


「先生!」

「お兄さん!!」


歩来にちょっと似ている担任と
また会えて
ついてるかも~


俺の俺らしいとこが
ムクムクっと目を覚ます。
< 85 / 426 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop