～天使はふたたび舞い降りる～

近づく春

約束の時間をすぎても
担任は現れない。

　　自分がまつのも珍しいな

歩来にどことなく似ている
担任に親近感を覚えていた。


１０分過ぎた頃
向こうから転がってきたように
担任が走って来た。

　　転がった方が早いな

「すみません・・・
ハァ・・・ハァ・・・」
息がかなりあがっていた。

「大丈夫ですよ。
俺も今来たばかりだし・・・」

「ほんとに
私ったら、お誘いしておいて
失礼しました。
ハァ・・・ハァ・・・・」


「先生少し落ち着いてください」
必死で謝る
担任がかわいそうだった。


しばらく息を整えて

「何が食べたいですか？」
担任が言った。

「俺の好きな居酒屋があるから
そこ行きましょう。」




「そこ私ご馳走しますから。」

「いえいえ
じゃあ割り勘で行きましょう。」


担任は
自分が誘ったんだからと
言い張っていたが


　　男が出すだろう
　　こういうときは～

「行きましょう」

俺は歩き出した。