東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
ここまで言うと、アイツは続きを小声であたしに耳打ちした。

「…ってか、誰とでも寝る“させ子”なんだろ?」


「…っ!?」

思いもよらない彼の言葉に、あたしは答えるべき言葉を失ってしまった。

あたしが誰とでも寝る“させ子”って!?

ひょっとして、昨日あたしがみんなに本命チョコをバラまいたから、軽いオンナだと思われた、ってコト?

「ソレ、誤解だから! あたし、ゼッタイそんなことしてないし!」

キッパリと言うあたし。

「でもプロフに」

「プロフ?」

“プロフ”っていったら、こないだユーに勧められて入会したケータイの自己紹介サイトのことだよね?

「ちょっと、どいて」

アナンにそう言うと、あたしは慌ててユーの席へと向かった。


「ねぇ、ユー。プロフになんか、あたしのこと書いてるの?」

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