東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「背ぇ、伸びたね」
7年前はあたしのほうが高かったのに、今は彼のほうがあたしの頭ひとつぶん高い。
「なんか俺さ…」
「オレ…?」
へぇ、ロム、自分のこと、“俺”って言うようになったんだ。
そーいえば、声変わりしたんだね。さっき「おかえり」って言われたとき、声が違ってて全然ロムだと分からなかった。
「なんか俺、クリスがすっかり綺麗になっちまってるから、目のやり場に困る、ってゆーか、ドキドキしてお前のこと直視できねーよ」
「ば、バカッ、ヘンなコト言わないでよっ。あたしまでドキドキが移っちゃうじゃんっ」
なんか急に顔がカァーッと熱くなって、まともにロムのことが見れなくなってしまった。
「だって、クリス、そんな短いスカート履いてるしっ」
「どこ見てんのよっ。や~らしいっ」
慌てて両手で太モモを隠すあたし。
「だったらスカートなんか履くなよっ」
「あたしだってスカートくらい履くわよっ」