東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
そこには相手を威嚇するように鋭い歯の並んだ大きなクチを開き、2本足で立つ恐竜の全身骨格の化石の写真が、ページいっぱいに載っていた。恐竜の王者といわれる“ティラノサウルス”によく似ている。

「“学名”のとこ、よぉ~く見てみ?」

「ガクメイ…?」

「ホラ、ココに書いてるだろ?」

彼が指差したところを見てみると“学名・フルウチサウルスなんとかかんとか(カタカナの名前が続く)”って書いてある。


「“フルウチサウルス”って!?」


あたしはそのとき全身に鳥肌が立つのを感じた。

ロム、本当に新種の化石を発見して、自分の名前を付けることができたんだね!?

スゴイ!

…ってかスゴすぎっ!!


「おめでとう、ロム~っ♪♪」

…って本当なら言ってあげるべきなんだろうけど、あたしは彼の手の甲を思いっきりつねってやった。


「イタイ、イタイ、イタイっ!」


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