東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「ずっと好きだったよ、ロム……」

「クリス……いや、今日からは“愛”って呼ぶぞ。いいか…?」

「いいに決まってんじゃん」

「愛…」

「ロム…」

抱き合ったロムの胸に顔をうずめるあたし。


「…!?」

なにこの甘い香りは…? 香水? ロムも香水つけておしゃれするようになったんだ。

でも、この香りは甘すぎるような気がする。

例えるなら、PTAのときママたちのほうからしてくるような香り? いや、違う…。

デパートのエレベーターにケバい女のヒトといっしょに乗ったときの香り……かな?

なんだか、ノドの乾きを覚えるくらいの甘ったるい香り。

とにかく、ひとことで言えば女のニオイだ。


フッ、とわれにかえって目を開けると、至近距離のところに美人のCA(キャビンアテンダント)のおねーさんがいた。

いつのまにか寝ていたあたしに、CAが毛布をかけてくれようとしていたみたい。

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