東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
2時間モノの映画を3本見て、それプラス仮眠をとったとしても、まだ東京には到着していない程、長い長い時間のフライトだ。
今回のフライトでも、途中で寝てしまったけど、イケメン俳優が主役を務めるハリウッド映画を見ていたあたし。
きっとそのイケメン俳優の顔が目に焼きついてしまったせいで、あんな120%イケメンのロムの夢なんか見ちゃったんだと思う。
たぶんね、ホンモノのロムはあんなにイケメンじゃないと思う……分かんないけど。
だって“柴犬の子犬”が“アフガン犬”になんてなるわけないし。
まぁ、別に本人に会ってガッカリするとかはないと思うけど……ね。
それにしても……。
あたしとロムが結婚!?
思い出しただけでも、頬がポッと熱くなる。
あんな夢見ちゃうなんて、あたし、よっぽどロムのことが好きなのかな?
腕時計をチラリと見ると、まだ余裕でもう2本は映画が見られそうな時間があった。
だけど、あたしはCAが持ってきてくれた毛布を掛け直すと、静かに目を閉じた、映画ではなく、夢の続きを見るために―――――