東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「おいおい、お前は自分の将来を“見た目”で決めるのかよ」
「アレ? 見た目って大事っしょ? ナースの白衣とかCA(キャビンアテンダント)の制服に憧れる女のコもいると思うし、男のコでもパイロットとか警察官になりたいって思うヒトって、けっこー多いと思うよ」
「ま、そりゃそーだけど」
「そーいや、小っちゃい頃、“はとバス”のバスガイドさんの黄色い制服にも憧れたっけ」
「ふぅん。お前って制服フェチなんだな」
「ある意味、そーかもね」
「やばっ…17時半開場なのに間に合わないかもっ……」
突然、隣りの席に座っていたあたしと同い年くらいの女のコ2人組のひとりが声を上げた。
それに答えて友達らしく女のコが言う。
「早く行かないと“マッキー”のライブのグッズが売り切れちゃうよっ」
「え…!?」
あたしは彼女が言った“マッキー”という言葉に敏感に反応した。