東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

おもしろがるようにそう言ったのは幼なじみの大島軍司だった。小学生の頃から体がデカかったので、みんなに“デカ島”と呼ばれていた。7年ぶりに会ってもやっぱりデカイ。


「ちょ、ちょっと待ってよっ…み、み、みんなが見てるじゃんっ…は、恥ずかしいから抱きつくなよっ…」

ロムの顔は、まるで熟れすぎたビッグ・アップルみたいに真っ赤になってた。

「恥ずかしいって、これは“hug(ハグ)”だよ、ハグ。タダのあいさつだよ♪」

「こ、こ、こ、こ、ココはアメリカじゃないんだっ…に、に、に、ニッポンだっ…」

“どんだけ慌ててるの?”ってくらいにロムの言葉がラップ調になってた。

さすがにこれ以上困らせるのはかわいそうだと思ったあたしは…、

「そっか、そーだよね。ごめんね、ロム、つい嬉しくて」

…と、彼の首の後ろに回していた両手をほどくと、今度は彼の両手を取った。

「会いたかったよぅ、ロムぅ~♪ 会いたかった~っ♪♪」

嬉しくて、嬉しすぎて、その場でピョン、ピョン跳びはねてしまう♪

「ば、バカ、よせ、って…ぱ、パンツが見えてるぞ」
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