東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
第12話「帰りたくない夜もあるワケで…」
PM9:51――
ツケがきくというアシくんのなじみの焼き肉屋さんにいたあたしは、中央に焼き網が備え付けられたテーブルをはさんで、彼とサシで向かい合って座っていた。
琥珀色をしたビールをイッキに飲み干し、ひどく苦そうに顔全体を歪める彼。
「くあ~っ、この一杯が明日への活力だな♪」
でも彼のその苦々しい顔を見ていると…、
“そんなに苦いなら飲まなきゃいいのに”
…って思ってしまう。
あたしはまだ未成年だし、オトナのヒトたちがクチを開けば「ビール、ビール」って言ってる気持ちを理解することはできない。
チーコなんか、父親が晩酌をしているときに、「ひとくちだけ」と言っては毎晩のようにビールを飲ませてもらってるなんて言ってたけど、あたしはビールを飲んでみたいなんて思ったことがないし、タバコだって吸ってみたいと思ったは一度もない。
どーせオトナの世界ってやつを味見するんだったら、あたしみたいに焼き肉屋さんに来ればいいのに、と思う。
ちなみにあたしの前にはウーロン茶が置かれている。
ツケがきくというアシくんのなじみの焼き肉屋さんにいたあたしは、中央に焼き網が備え付けられたテーブルをはさんで、彼とサシで向かい合って座っていた。
琥珀色をしたビールをイッキに飲み干し、ひどく苦そうに顔全体を歪める彼。
「くあ~っ、この一杯が明日への活力だな♪」
でも彼のその苦々しい顔を見ていると…、
“そんなに苦いなら飲まなきゃいいのに”
…って思ってしまう。
あたしはまだ未成年だし、オトナのヒトたちがクチを開けば「ビール、ビール」って言ってる気持ちを理解することはできない。
チーコなんか、父親が晩酌をしているときに、「ひとくちだけ」と言っては毎晩のようにビールを飲ませてもらってるなんて言ってたけど、あたしはビールを飲んでみたいなんて思ったことがないし、タバコだって吸ってみたいと思ったは一度もない。
どーせオトナの世界ってやつを味見するんだったら、あたしみたいに焼き肉屋さんに来ればいいのに、と思う。
ちなみにあたしの前にはウーロン茶が置かれている。