東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「ゲロゲェ~ロ♪」

「ぷっ…」

そんな彼を見て、思わず吹き出してしまうあたし。


「おっ、やっと笑ってくれたな♪」

「だって、アシくん、バカみたいだもん♪」

「おいおい、ヒトが心配してやってんのに、“バカみてぇ”はねぇだろ? …ったく、ひでぇ言われようだな」

「だって、そのカエルの顔、バカみたいだもん♪」

「ゲロゲェ~ロ♪ ゲロゲェ~ロ♪」

「ぷぷっ…」

「そんだけ笑えりゃ、上等だ♪ それより、その真ん中の肉、焼けすぎて炭(すみ)になりかけてるぞ」


「ヤバっ」

慌てて、その炭になりそうになっている肉を、おハシでつまんでタレに漬けてクチの中に入れるあたし。

「はふ、はふっ……あ、アチッ」

舌がヤケドするかと思うほど熱かった。

「慌てるからだよ。ホラ、コレ飲めよ」

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