東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
彼女とは小学生の頃、同じクラスになったこともあるけど、ほとんどしゃべったこともない。ちょっと冷たい感じってゆーか、近寄りがたいオーラが出ているみたいなところがあったし、あまり友達付き合いもいいほうじゃなかったから。


“もしかして、このコがロムのカノジョ!?”


ひとことでいえば意外だった。

“ロムのカノジョってどんなコだろう?”ってアレコレ妄想していた中で、キクチ・ヨーコのことなんて全然思いつかなかった。


“キクチ・ヨーコがロムのカノジョ…”

そう思うと、なんか素直に認めたくないあたしがいた。

だから…、

「どちらさまですか?」

…って、彼女のことを忘れているフリをして、わざとぶっきらぼうな感じで言うあたし。

「しょ、紹介するよ。こちら、菊池要子さん」

「…って!?」

なんでロムが答えるワケ? あたしはキクチ・ヨーコに訊いてるんだよ!

「はじめまして、菊池要子です」

「え…」
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