東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「バイバイ」

「しょーがない、ひとりで帰るか」


「愛ちゃん、俺と帰ろっか?」


声のしたほうを見るとニコニコ顔の“デカ島”こと大島軍司がいた。

“この際、デカ島でもガマンするか…”

そう思った瞬間、アナンってヤツが…、

「おいおい、お前は俺とラグビー部の練習があるだろーが」

…って言った。

「そっか、残念っ」

ガックリと肩を落とすデカ島だけど、あたしはそれほど残念じゃなかった。ひとりで帰るよりはデカ島でもいたほうがマシかと思っただけだったから。

それにしても……。

「みんな付き合い悪いな…」

「みんないろいろあるんだよ」

「いろいろ……か」

みんなにフラれて、結局、あたしはひとりで学校をあとにした―――――



< 47 / 301 >

この作品をシェア

pagetop