東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「…!?」
アレ? なんでだろ? 急に目に涙が浮かんできちゃった……。
慌てて“ふわぁぁぁ…”と大アクビをするフリをして、両手でゴシゴシ涙を拭った。
「でも、ありがとな」
「ん?」
「ワザとふざけて冗談言って、俺を元気づけようとしてくれたんだろ?」
「さすがは幼なじみ、ロムにはなんでもお見通しだねぇ~っ♪♪」
しらじらしいくらいに明るく言うあたし。
「まぁ、せっかくクリスがお膳立てをしてくれたんだし、俺……がんばってアタックしてみるよ……ダメもとだけどさ」
そう言って照れくさそうに笑う彼だけど、その表情の端には、たしかに勇気の輝きがキラめいていた。
「Fight! ロム! あたし、応援してるよ♪」
もしロムがHeart break(ハートブレイク=失恋)したときは、砕け散ったロムのココロのカケラを全部あたしが拾い集めてあげる。
そして瞬間接着剤でくっつけて、ついでにあたしのココロもロムのココロにくっつけてあげるよ、二度と離れることがないように超強力な接着剤でね―――――