東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「ま、がんばんなよ。あたしも応援するし」

…って、なに、言ってんだろ、あたし…。

「おぅ」

でも、彼がすっかり元気を取り戻したみたいで、とりあえずはひと安心ってカンジ。


「そーいや、もうすぐバレンタインデーじゃん。オンナはプレゼントに弱いから“逆チョコ”あげれば?」

「いいね、ソレ♪ 俺、女のコがどんなチョコ好きかよく分からないから、クリス、今度買い物に付き合ってくれないかな?」

「ロム…」

ヒトの気も知らないで、ちょっと無神経すぎない? …ってか、残酷だよ。

だけど「OK♪」とあたしは答えた。

見方を変えれば彼とお買い物デートができるってことだし、そう思えば、それもまた楽しいもんさね♪

「じゃ、あたしもロムにあげるチョコ買お、っと」

「いいよ、“義理チョコ”なんていらないし」

「義理じゃ……ないんだけどな……」

自分にしか聞こえないくらいの声でつぶやく。

「えっ、なんか言った?」

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