東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

30代も後半にさしかかり、いまだ未婚。週末ともなれば“婚活(こんかつ)”にいそしむ彼女にしてみれば、高校生の男女交際なんて“もってのほか”ってキモチなんだろう。

「せ、先生、寝たって、別にそーいう意味じゃ…」

「そ、そ、そ、そうですよ、先生っ…」

焦りまくってるあたしとロムは二人して全面的に否定した。

「二人とも廊下に立ってなさいっ!!」

「そーだぞ、お前ら“立ってる”んだぞ♪ 寝るなよ♪」

アナンがチャカしてそう言うと、クラスじゅうがドッと大爆笑した。


ロムと並んで廊下に立たされながら、あたしは思った…、

“先生、コレって体罰なんじゃ…”

…って。

「もぅ、なんだよぅ……せっかく、また勉強する気になった、っていうのに……」

そう言って“チッ”と舌打ちをするロム。

「じゃ、お詫びにあたしがロムの先生になってあげる♪」

「え?」

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