東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「ま、それも含めて、いわゆるひとつのスクールライフってヤツだな。俺にはもうカンケーねぇ世界だが」

そう言うと“フッ”と淋しそうに笑う彼。

あたしたちとは違う道をたった一人で歩きはじめた彼のことをカッコイイとさえ思っていたあたしは、そのときはじめて彼の中の孤独感を知ったような気がした。



「ところでチョコはやっぱりロムにやるのか?」

「え…?」

「“え?”って。ガキの頃からなかよしだっただろ?」

「ま、まぁ、そうだけど…」

「お前ら、付き合ってんの?」

直球ド真ん中の質問だった。

「ううん、だってロムには他に好きなコがいるし…」

言ってる途中で思わずうつむいてしまって、声が小さくなってしまう。

「ほぉ、ロムにも好きなオンナができたか。アイツも成長したもんだ」

「そーなのよ。あたしも7年ぶりで帰ってきて、まさかロムにそんなコがいるとは思わなくてビックリしたよ。まさにunbelievable(アンビリーバボー)状態ってヤツ」
< 91 / 301 >

この作品をシェア

pagetop