僕と母と家族の再会記
たった2日の大阪。

ちゃんともてなす事が
出来たのだろうか?
少し不安な衝動に駆られた。

搭乗ロビーに向かう途中で
母に持ってもらうおみやげを買い
渡そうとおみやげ屋を出たら、
母達は搭乗口に入る手前まで
進んでいた。だが、何とか
おみやげを渡すことが出来た。

母達の分、
一番下の妹達の分、
そして祖父・祖母の分。

母は中に進むが、
こっちを見ようとはしなかった。

僕は何度も母を呼んだが、
それでも僕の方を
向いてはくれなかった。

その時、
僕の横で妹は涙を流していた。

僕も自然と涙が出てきた。

8年半振りの再会は
2日間にて終わろうとしている。

妹の娘は
「何で泣いてるの?」と
不思議そうにしていたが、
皆が飛行機に向かって
進んでいるのが分かったのか、
「寂しいよぅ」
と言いながら涙を流していた。

もうすぐ完全に中に入る所で
母が僕達の方を向いてくれた。

母の目の周りは真っ赤になり
涙を流していた。

その母の顔を見た僕達は
涙が止まらなかった。

その時の母の顔は、
たぶん一生忘れる事は無い。

大阪に残る僕達3人は
皆を見送った後、
止まらない涙を拭きながら
屋上へと向かった。

母達の乗った飛行機が
離陸するまでずっと
滑走路と飛行機を見つめていた。

次に母達に会うのは
いつになるだろう?
そんな事を考えながら
無事飛行機が飛び立つのを
見送ってから空港を後にした。

1時間後…母から
無事に着いたと連絡が入った。

母からの楽しかったと
感謝の言葉に止まっていた涙が
また出てきた。
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