桜の木の誓い
優真の言葉に土方と原田は目を丸くする。そして二人は同じ事を思った。


((頭がおかしくなったのか?))





「ばっ、馬鹿野郎!女のお前がそんな事出来るわけないだろうが!」


土方は噛みながらも優真に怒鳴った。だが、それ位で臆する優真ではない。


「うーん…山本さん以外に誰がそれに参加するの?」


「はぁ〜、無視かよ……俺と原田、それに近藤さん、山南さん、総司、永倉、源さんだが…それがどうした?」


そう言って土方は怪訝な顔で、眉間に皺を寄せている優真を凝視した。





こいつは何が言いたいんだ?





「…考えてみて、土方さん。

公方様の警護って事はそれなりに腕に自信のある者が参加する筈。さっき言った七人以外に、それに値する人はこの試衛館には私しかいないと思うけど?山本さんに試合で負けた事ないし、むしろ山本さんよりも適任」


そうなのだ。
山本と試合をして勝つのは何時も優真。


図星をつかれた土方はうっ…と言葉を詰まらせた。それを見て優真は追い討ちを掛ける様に話を続ける。





「それに女だから駄目だと言うなら………………

    私は男になるよ」




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