桜の木の誓い

日暮れどきになり優真はそろそろ屯所へ戻ろうとしていた。


「今日も有り難うございました!」


母性本能を擽るようなニコニコ顔で信太郎はお礼を言った。


うっ…。可愛すぎる。

この可愛さは犯罪じゃないだろうか。


「先生?どうかしました?」

「…な、何でもないよ──あっ」


そこで今日信太郎に言おうと思っていた事を優真は思い出した。


「信太郎、そろそろ入隊試験受けてみる?」

「え!?受けたいです!」

「そっか。じゃあ、今日土方さんに言ってみるから」

「はい!」


嬉しそうな表情をする信太郎に優真は穏やかな表情を見せ、帰路へついた。





──────





「土方さん」

「あぁ?…優真か。どうした?」


優真は土方の部屋に入ると部屋中に籠もった紫煙に軽く顔を顰めた。


「躯に悪そ…」

「毎回うるせぇなぁ。用件を早く言え…って、どうせ入隊試験の事だろ?そうだなぁ…明後日なら大丈夫だ」


ニヤリと意地悪な笑みで土方はそう言った。

えっ…何で判った?

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