桜の木の誓い

「フッ…判らねぇって顔してるなぁ。お前が竹刀持って出て行くとこを偶然見かけてよ、気になって調べさせたんだよ」



調べさせたって……はぁ…プライバシーの侵害だよ。しかも竹刀を持っていった犯人は私だって判ってたわけね。



──恐るべし土方。



「御苦労様でした。わざわざ土方さん自ら調べられたみたいで」



仏頂面をした優真は刺のある声で言った。
そんな優真に対して土方はいや、と首を横に振る。



「俺が調べたんじゃねぇ。監察方の山崎に調べさせた」



監察方の山崎?聞いた事ない。



「山崎って奴此処にいた?それに監察方って…」

「お前には先に知らせておくか。
壬生浪士組も結構な人数になったしなぁ、纏める為にもちゃーんと役職を作った方が良いと思ってよ、編成表を作った。局長の下に副長、副長の下に副長助勤ってな感じにな」



そう言って土方は一枚の紙を優真に見せた。


ふーん。
幹部は浪士組の頃からいた人ばっかりか。副長助勤なんて試衛館の人達ばっかりだし──…。

─あれ?

おかしい。副長助勤の欄に私の名前があるんですけど。只の平隊士だと思ってたのに。
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