ふしだらエデュケーション
高まる羞恥。

踏みにじられる自尊心。

ああ……、堪えがたい屈辱だわ。

聖職者の道は斯くも険しく無情なり。

けれど、その道を選んだのは私自身。

この試練を甘んじて受け入れ、それを乗り越えた時、私は教育者として一歩前進することができるはず。


その時、不審な黒い影が私を覆った。

背後に忍び寄る何者かの気配。

恐る恐る、ゆっくり視線を後ろにずらしていくと、生徒の足が目に入った。

私の背後にたたずむ一足の上履き。

席を離れてそこまで来ている――。

心臓が一度大きく波を打ち、次第に鼓動が激しくなる。


理性が吹き飛んでしまったんだわ――。

ほとばしるエロスに情欲をかき立てられて、自制がきかなくなったんだわ。

……ダメ。それ以上は近寄っちゃダメよ。

最後の防衛線を越えてしまったら、もう引き返すことはできなくってよ。
< 17 / 20 >

この作品をシェア

pagetop