大切な思い出

リョウとは付き合いだして１年になる。
リョウがいたから私は親の反対を押し切ってここに来た。
この１年些細な喧嘩はあるが、仲は良い。

「今日ここに寝るの？」
何もない部屋を見渡して心配そうに聞いてくる。

「そうだよ」
平然と答える私。


リョウがそう聞くのも当たり前だ。
布団も無い、カーペットも無いフローリングの部屋…
春、と言っても夜はまだ寒い…


「俺の家泊まれば？布団来るまで」
と言うリョウ。丁重にお断りしました（笑）
実家を出てきて１週間。部屋が決まるまでリョウの家に置いてもらっていた。
だから、部屋に入居できた今日からはリョウに甘えていられなかった。