大人のなり方
K駅からI駅に行くには、途中T駅で
乗換えがある。
でも、まどかにはI駅に男性と行くわけに
いかない理由があった。
「ごめん、立野君」
「タテ、でいいよ。みんなも
そうよんでるし」
「うん、タテ。あのね。I駅にはお母さんが
迎えに来るから・・その・・。」
「あ、そっか、俺がいたらまずいよね。
じゃあ、T駅で電車に乗るまで。これならいいでしょ?」
「ありがとう」
「ふふ、さっきからお礼いってばかりだね。」
「あ、ごめんなさい。」
「って、なんで今度は謝るの。w」
二人顔を見合わせて笑う。
「今日ね、まどかちゃんに会えてよかった」
「え?」
「最初に見たときにね。タイプだなって思って」
「あ・・・。」
私も。
「だから隣に座ったんだよ。」
でも。
簡単にこういうこと言う人って。
慣れてる?
「ねえタテ。」
「うん?」
「タテもてるでしょ?」
「全然。」
そうなの?じゃあ、きいていい??
「でも。彼女、いるんじゃない?」
きいちゃった。
彼女いる?じゃ、きっと重いから。
いるんじゃない?ってさりげなく。