大人のなり方
「・・・・」
タテは何も言わないでまどかをじっと
みつめた。
まどかはタテと目を合わせないようにして
電車の外を見つめる。
ほら、やっぱり。
いるんだ。
まどかが、ちゃかそうとしたそのとき。
タテが一言こたえた。
「いるよ。」
あまりにもさらっと言われて
まどかも反応に困る。
「でっしょー!!?だと思った。」
あわてて、元気よくおどけるも。
その不自然さにタテが気づかないわけもない。
「でも」
またタテが口をひらいた。
「あんまり、会ってないって言うか・・。
つきあってるっていえるのかな・・・。」
最後のほうは自分の中でつぶやくくらいの
声で。