大人のなり方
二人が飛び乗ると同時に電車の扉は
しまった。
「はあはあ。。。」
「っぶねー。」
二人ともドアにもたれて笑いあう。
つないでいた手もさりげなくはずされた。
「あ、大丈夫だから」
「え?」
「お母さんとは、顔、合わさないように
改札とかまでは行かないから安心してね」
「うん。」
すごい。
気を遣ってくれてる。
どうしよう。
どうしたらいい?
彼女、いるんだよ?
なんでそんなにやさしくするの?
期待、しちゃうよ。
I駅に着くとタテは、まどかの頭を
ぽんぽん、とたたくと折り返しの電車に
のっていった。
ガラス越しに「またね」と
くちをぱくぱくさせる
タテをみていると
さっき握られた手が熱く感じて。
まどかのどきどきはとまらなかった。