大人のなり方
「大丈夫、なんだよね。」
奈美が一言だけ確認した。
「・・・・。」
なにが??
まどかはきくことが出来ない。
彼女がいること?
すきになっちゃいけないってこと?
覚悟してるかってこと?
違う。
たぶんもっと。
深いところで、奈美は私の事
心配してくれてる。
「ん・・・。大丈夫だよ」
まどかが答えると。
「そっか、じゃあいいや。」
って、帰りかけて。
もう一度ふりかえった。
「でも。なんかあったら、話
きくから。相談してよね」
そこで初めて、奈美は笑顔をむけて。
そこまで、お互い、全然笑って
いなかったことに、まどかは
気付いた。
「うん。」
まどかもうなづいた。
奈美ちゃん、ありがとう。
声にはださないで、まどかも
とりあえずグラウンドのほうに
むかった。