大人のなり方
「おじゃましまーす」
まどかは玄関でそっと靴をぬぎ
後ろをむいて揃えては端に
置きなおした。
「ちらかってるけど
適当に座って」
帰りによってきたコンビニで
買い込んだお菓子と
飲み物をテーブルにおきながら
タテはソファを指差した。
決してきれいではないけど
男らしく
さっぱりとした部屋。
普段タテから香る
ラルフのフレグランスの
かおりが漂う。
ソファに小さくすわった
まどかをみてタテが笑う。
「そんなに固くならないでよ」
タテがまどかに背中をむけて
レンタルショップの袋をだしている。
その背中をみていたまどかが
視線をそっと隣にずらすと
コルクボードが目に入った。
いくつかの写真が
貼ってある。