大人のなり方
「KK戦?」
くりかえしながらも、その言葉の
意味はわかっていた。
近所にある良く似た名前のその学校は
K大とは活発に交流がもたれている。
運動部は大抵そこと練習試合を
行う。伝統の一戦だ。
「まだ、肩が本調子じゃないから
でれるかどうかはわからないけど。
よかったら、応援にきてくれないかな?」
タテが肩を壊していることは
前にきいていて。
自分が出ないかもしれない
試合にも、さそってくれる
気持ちと、その部活への
熱い思いが、まどかには
まぶしかった。
「もちろんだよ!
がんばって応援するね。
奈美ちゃんもさそってみる」
「やった!俺もがんばるよ!」
無邪気なタテの笑顔に
自分までうれしい気持ちに
なる。
気持ちを冷やすように
まどかは飲み物を
口にした。