日直当番
「よっしゃぁ、これでいいっしょ」


自分でも惚れ惚れするくらいに黒板はピカピカに輝いていた。


「神崎さん」


席に着こうとする私を再び進藤くんは呼び止める。


「今度はなんですかっ」


私は少し語尾を強めて振り返った。


「いいですか、1つ覚えておいてください。黒板の下には左右、真ん中にそれぞれ白、赤、黄、青の4色のチョークを束にして置き、チョークの束と束の間に黒板消しを置きます。そうすれば先生もチョークと黒板消しが使いやすくなり、尚且つイライラしなくてすみます。次の時間からそうしてください。いいですね?」


手についたチョークの粉を神経質そうにハンカチで拭き取りながら、長いセリフを言い終えたあと、進藤くんは私の返事も聞かずにその場を立ち去って行った。


私はただ呆然と立ち尽くすばかりだった。





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