日直当番
「神崎さん、何か忘れてないかな?」


朝のSHRのあと、池上先生がニコニコしながら私の机の前にやって来た。


その笑顔に裏を感じてゾクッとする。


「何かって…あ」


小論文。


「今日の放課後までね。神崎さんひとりだけだよ」


「はぁい…」


あのあと放心状態でそのまま家に帰ってきたもんで、小論文ことはすっぽり忘れていた。


もとはといえば進藤くんが…。


じろりと斜め後ろの進藤くんを睨むと、進藤くんはすぐに気づいて目が合ってしまった。



ドキッとして目を逸らし、勢いで机に額を打ち付けた。


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