日直当番
「なんか今日の進藤くん優しくない?」


「僕は普段から優しい人間です。立てますか?」


「うん」


とは言いつつも、やっぱり足取りはおぼつかなくてフラフラと歩いてしまう。


寒いし頭は痛いしもう何がなんだかよく分からない。


「おぶってあげましょうか」


「やめてよこどもじゃないんだから。それに進藤くんまで濡れちゃうよ」


「僕も少し濡れてしまったのでそれは構いません。おや、また雨がひどくなったようですね」


改札口を抜けて空を見ると、さっきよりも雨足がはやくなっていた。
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