日直当番
進藤くんの寝顔を見ていると、意外と端正な顔立ちであることが分かる。


寝顔がきれいな人って羨ましい。


「進藤くーん」


名前を呼んでみたけど進藤くんは気づく様子もなく、小さな寝息を立てている。


ティーカップの取っ手に手をかけたとき、不意に進藤くんの頭が後ろに反り返った。


「いってっ」


進藤くんは反り返った反動で頭を垂れて首をおさえた。


とともに私の存在にも気づいたようだ。


「居たなら言ってくださいよ」


下がった眼鏡を左手の中指で上げながら、バツの悪そうな顔をして組んでいた足を解いた。


「起こすの悪いと思って。あのさぁ進藤くんて寝顔きれいでいいよね」




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