日直当番
「あ、服ありがとう。洗って返すよ」


「当然です」


むっ。


ティーカップに残った冷めた紅茶を一気に飲み干した。


溶け残った砂糖が口の中でジャリジャリと小さな音を立てる。


進藤くんに借りた服をスクールバッグに詰め込んで玄関を出た。


周りを見渡すと見たことがある風景だった。


進藤くんは住んでいるのは私の家よりも駅に近いところらしい。


「傘どうぞ」


「どうも。あの、進藤くん、あとはひとりで大丈夫だよ。ここからそんなに遠くないから」


「こんな暗い中女の子ひとりでは危険です。最近この辺りでも痴漢が増えてるらしいですし。それに神崎さんの体調もまだすぐれないでしょう?」


「なんか今日の進藤くんヘンだよ」


「変とはなんですか。僕は至って普通です。行きましょう」


「そっちじゃなくてこっち」


「おっと」

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