日直当番
しとしと降り続ける雨の中、私と進藤くんは黙って歩いていた。


「人は右側通行です」とか「傘を差しながら並んで歩くのは危険です」とか、いちいち小うるさい進藤くんはやっぱり至って普通のようだ。


「……ねぇやっぱり隣に来てよ。後ろ歩かれるとつけられてるみたいで気持ち悪い。それに車の通りも少ないからそんなに危なくないって」


「……しょうがないですね」


進藤くんは私の左隣にぴたりと寄り添うように歩き始めた。


「あ、カバン持ちましょう」


進藤くんは右手を出して催促する。


「重いからいいよ」


「いえ、手ぶらでついていくのもなんですから。僕に持たせてください」


「持つんだったらもっと早く言ってよね。はい」


私は進藤くんにスクールバッグを手渡した。


「すいませんね。気が利かなくて」


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